アニメ業界について考えてみる:#6小説とマンガとアニメと

同じエンターテイメントのくくりにされるだろう、

小説やマンガはアニメとはポジションが大きく違う印象がある。

 

小説やマンガは規模としては少人数である。

小説は1人で書けるし、マンガも1人で描ける。

商業ラインに乗せるなら、アシスタントとか編集さんとか

僕が想像している以上に人数の規模が大きくなるのかもしれない。

でも、アニメと比べると規模が小さいのは間違いないだろう。

TVアニメでも100人くらいだと普通に聞く。

これは作画枚数とかや表現方法にもよるだろう。

アニメは少人数で作れないのか?

決してそういうわけではない。

自主制作で1人で作る変わり者もいるだろうし、

数十人単位で作ることもある。

実際の話、できないわけではないけど物量が多いから分担した方が早い、

というのが理由だろう。

自主制作で関わった経験も何度かあるから、

その辺りは自覚を持っているけれど、

合間になるという感じであれば、数分作るのに1年かかるとかはよくある話だ。

それを仕事としてきちんとスケジュール通りに回していこうと思うと、

人海戦術をするのが一般的だし現実的なんだと思う。


これはあくまで手書きアニメの話。

最近はCGアニメも増えてきている。

実際、CGアニメは製作に携わったことはないから、よくわからないけど、

CGだからと言って工数が少なくなったというわけではないように思える。

管理自体はデジタルになった分、工数は減りそうな物だけど、

その分、CGはCGでかっちり決めていかないと

大変な印象が強いから、手書きよりもずっと機動力はない感じもする。

 

逆に言えば、アウトプットが明確なら、意外に楽なのかもしれない。


最近、話題になったけものフレンズは10名弱で作っている、

と盛り上がりを見せたけど、

結局、表現方法によって大きく変わってしまうわけで、

あれはあれで、きっといろんな工夫をしたに違いない。

CGアニメの場合は、自分でちょっと触った感触と

外からの記事を読んでいて思うことなので、わからないことの方が多い。

 


話を戻して、

小説やマンガと違って、アニメは工数が非常にかかってしまう物だ。

だって、絵を動かそうとしてるんだ、仕方がない。


ただ、工数膨大という側面があるから、

エンタメとして成立させるためには、それなりにリスクが伴う。

小説やマンガは少人数で規模が小さいから、

リスクがないというわけではないけれど、

発生する工数の違いは、回収するキャッシュの規模に関係してくる。

これが、映画であればおそらく話が違うのだろう。

この辺りは僕の理解が追いついていない部分だけれど、

「映画は劇場に運んでもらって席を確保するもの」だから

遊園地みたいなものだ。

映画そのものを、楽しむために入場料としてお金をいただいている。

でもTVアニメの場合は違うわけで、

その辺りは過去に書いた通りなのだと思う。

 

TVに流しているあたりで、

あれはほぼ全てが広告として存在しているのだろうから、

ビジネスモデルが違うといえば、違うんだろう。

そう考えると余計に

TVに流すアニメは何を目的に作られているのか?

ビジネス全体としてキャッシュの流れがどうなっているのか?

をきちんと設計しないと妙な話になる。

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例えば、ある会社が商品を売り出そうとして、

その商品の宣伝をしたい、

そういう場合があったとしよう。

その宣伝のやり方にはいろんなものがある。

チラシでもいいし、

FAXDMでもいいかもしれない

PPC広告でもいいし、

ホームページを作っているなら、そこで告知をするでもいい。

あるいは、動画を作るなんてものでもいいかもしれない。

いろんな選択肢がある。

この時に、何が最適なのか?という判断は、

その商品は誰のためのものなのか?

が明確になっていて、その「誰か」はどこにいて、

どういう時間帯で接触する機会があって、

どんな言葉に反応するのか?などがわかっていて、

適切な宣伝媒体を選択する、

という設計指針に基づく。


その時に、仮に、

「アニメ」が最も最適な媒体だっとして、

よし作りましょう。

となった時に、始めて製作会社にお願いすることになる。


これは、別にアニメだろうと

ランディングページみたいなWEB系だろうと、

印刷系のチラシだろうと、

全く発想は同じだ。


製作会社は依頼が来て、実現可能なら請け負う。 

基本、このスタンスなのだ。

製作会社というのは。

ただ、本来、その商品をどういう風にプロモーションをかけたら最適なのか?

ということは、商品製作に関わる全ての人が考えていくことだと思う。

つまるところ、売り出したい商品を作ったところだ。


現状、僕の知る限り、

あまり商品を作ったところが、その辺りをきちんと全体設計するところは多くないように思える。

製作会社は製作会社として、独立しているような感じはするし、

マーケッターはマーケッターで何か独立してコンサルとかやっているようなイメージがあるし、

商品を開発したところは、商品を開発しただけで終わっているような気もする。

これは言い過ぎかもしれない。


これはあくまで僕のイメージであって、

現実世界がそうであるかどうかはわからない。

幾つかの企業でマーケティングまでできる製作会社を知っていたりはするけど、

感覚として全体の割合としては多くないような気がする。


うまくいっているところは、そういうところが良いからうまくいっているのだろう。


理想だけをいえば、

そういう商品パッケージのプロモーションも含めて

全て一つの会社内でできてしまえば、よいように思う。

 

ただ、これは現実的ではないからこそ、

バラバラなのかもしれない。

 

仮にアニメ製作会社でマーケティングまで入り込んでやるところがあるなら、

それはそれで相当強いように思う。

そういうところはあるんだろうか。

まだまだよくわからないけれど、

この辺は今後色々調べていきたい。
(友人の知り合いが製作会社の社長さんでtwitterの
発言を見ると、そういう感じの会社のように思える。)

マーケティングまで入るとなると、

其れなりにアニメでの反応率の数字化をするとか

過去のノウハウをためていくとか

そういうことになっていくから、積分要素が強くなる。

動画広告というジャンルになるのだろうか。

その辺りも考えてみたい。

 


PS:昨日、こんなまとめをtwitterで見かけた。

以前、出資したアニメータ寮の人だ。

こういう活動にも目を見張りたい。

新人アニメーター寮の寮生として一年間アニメーターを続けてみて
https://togetter.com/li/1100967