ナイトウです。
駆け出しのクリエイターにとって、
”忙しい”というポジションはなかなか存在しない
状況だと思います。
また、駆け出しじゃなくても、
うまく仕事が取れないクリエイターにとって
“忙しい”という状況は羨ましいと思うかもしれません。
ただ世の中というのは不思議なことに、
忙しいところに仕事が集まるようにできています。
そして、暇そうな人にはあんまり仕事が来ないものです。
今回はこのあたりの話をしていこうと思います。
駆け出しのクリエイター、あるいは仕事がうまく取れない
クリエイターというのは”共通して”あることを言います。
それは・・・
「仕事があれば、よろしくお願いします!」
これです。
みんながみんなそういうわけではないんですが、
でも大体こういうことを言っている人が
多いような気がするのです。
もちろん、仕事を素直に「ほしい」というのは
別に悪いことではありません。
またそれが正直に言えることは
「すごい」ことです。
それはそれで大事にしたいところです。
ただ、残念ながら、
「仕事があれば、よろしくお願いします。」
というのは、
少なくとも「ある2つのこと」を連想させますし、
使いタイミングによっては、
“仕事が来づらい状況を生み出していることがある”
ことを、はっきりと自覚する必要があります。
もし
「仕事があれば、よろしくお願いします。」
という発言で仕事がくる場合は、
次の要素が大きく絡みます。
・どうしても頼む相手がいなく、たまたま目の前に都合よくいたから
・どうやら仕事がなくて困っているようなので、情けで仕事を渡す
・この人に新しい仕事をさせて、レベルアップして欲しい。
1つ目は、たまたま偶然の出来事です。
悪い言い方をすれば、”あなたである必要はない”んです。
ただ、都合よくあなたが目の前に現れて、
暇そうだからお願いした、
というパターンです。
仮にそれで仕事ができたら嬉しいし、
お金がかからないならもっと嬉しい。
2つめはもっと絶望的です。
いわゆる”情け”で仕事をくれるわけです。
駆け出しや仕事がなくて困窮している場合なら、
相手が救世主のように優しく見えるかもしれませんが、
これは長続きしませんし、お互いにとってよくありません。
しかも仕事をもらった本人が
それを自覚していなければ、
それこそ絶望的です。
駆け出しのクリエイターであれば、
多少情けでも、あるいは、相手に都合よく使われる前提でも
仕事を受けることの対価の方が大きいので、
受けるのはアリでしょう。
・実績として使える
・自信になる
そんな風に「次に繋げていくこと」を
前提でそういうスタイルを取るのは
よいでしょう。
しかし、きちんと仕事をとってこれるようになる
クリエイターになるためには、
「仕事があれば、よろしくお願いします。」
という受け身スタイルは、あくまで、
レベルが低い時に使うスタイルや
新しい仕事を開拓するスタイルの時であって、
上を目指したり、自立を目指すなら、
これらを多用する時期を
きちんと見極めていく必要があります。
そして、その戦略を使った上で、
攻めのスタイルを確立させて、
いきたい世界に戦いを仕掛けるべきです。
3つ目は仕事をくれる人が長期目線で人材として
考えている場合です。
そういう場合は、すごく恵まれています。
もしそういう人が近くにいるのであれば、
「とりあえず言ってみる」と言う
スタイルはかなり有効です。
これに関してはまた別の機会で
書いていきたいと思います。
さて、
「仕事があれば、よろしくお願いします。」
という言葉から連想させる「ある2つのこと」について
触れて来なかったので、その話をしていきます。
「仕事があれば、よろしくお願いします。」
これはどんなことを連想させるのでしょうか。
————————
1.受け身っぽい
2.仕事が来ないくらい繁盛してない
————————
最低でもこの2つは連想します。
そして、この2つは自分の見せ方として、
はっきりと自覚しておく必要があるものです。
資本主義というものは、
基本、お金がベースのやりとりです。
そして、人を労働商品として定義して
やりたいことを実現する手段として
動く人にとって最も効率的なスタイルです。
ですから、受け身っぽいという印象は、
「都合よく使える」という印象を相手に与えます。
仮に相手が
「極力お金を払わずに、労働力を手に入れたい」
と考えていれば、
受け身の人間ほど扱いやすいものはありません。
「指示待ち人間は面倒だ」と思われることは多いですが、
チームの中に、指示できる人間がいさえすれば、
実はどうとでもなることです。
歯車として使いやすいポジションさえ把握していれば、
実は大した問題ではないのです。
ですから、受け身スタイルでいるということは
フリーランスで戦う上で、圧倒的不利です。
都合の良い労働商品として
扱われてしまう可能性が高くなります。
それこそ、付く相手を間違えると、
“こき使われて薄給”
は目に見えています。
しかも、ある程度、仕事ができるほど、
彼らにとって都合が良いわけです。
(正確には「仕事ができる」ではなく、
「指示通りにタスクを終わらせられる」ですが。)
受け身で、かつ指示通りに動いてくれる人間。
真に仕事ができる人間は、決して受け身スタイルは
とりませんし、都合よく使いたい側からすれば、
一番扱いづらい人間です。
都合よく使いたい側は
それをよく知っています。
ですから、
「仕事をください」
と言うことは
わざわざ
「仕事ができません」
とアピールをしにいっているようなものです。
2つ目は、仕事が繁盛してないのだろうか、という視点です。
想像して欲しいのですが、
繁盛しているお店ほど、人がたくさんいて、
長い行列ができますよね。
一方で、閑散としていて、
誰も入ってないようなお店には
入りづらい印象になることを、
僕らは消費者の視点で、
すでに知っているはずです。
つまり、商売において、
“人気があること”は
何よりも重要なことなのです。
にもかかわらず、
「仕事をください」
という発言は、
この人気がないことをアピールしてることになります。
ですから、ただ目先の仕事が欲しいから
気軽に「仕事をください。」
なんて言ってしまうのは
商売人として如何なものか、と思うのです。
—————————–
1.受け身っぽい
2.仕事が来ないくらい繁盛してない
—————————–
この2つの印象は、あなたが想像している以上に、
あなたの現実を作り出します。
ですから、もしあなたが本当に
仕事がほしいのであれば、
本来とる方法は
決して「仕事をください」と
言うことが最善とは限りません。
むしろ、真逆の行動が良いことの方が多いです。
「今、仕事がいっぱいで
来月まで予約で埋まっているんですよ。」
大して興味のない仕事が来た時は、
こんな風に、自信満々に
言うことができれば、商売人としては合格です。
また、その上で、自分がどんなお客さんを
相手にしたいのか?を
はっきりと定義することも大事になってきます。
例えば、こんな具合に。
・月に2件しかとりません。
・期間限定で特別に募集します。
・一見さんお断りなんです。
・この条件を満たす人しか受けていないんです。
・実店舗をやっている経営者しか相手にしてません。
・愛知県のみです。
・予約は17:00〜と19:00〜しかできません。
・・・など
資本主義において、
価値を持っているのは、
仕事を提案する側で、
問題を解決する側です。
そして、価値を持っている側が
独自に都合の良いルールを決めることができ、
それに合意したお客さんにサービスを提供する
スタイルが取れるのです。
ですから、
あんなこともできます
こんなこともできます。
困っているから仕事をください。
頑張ってるから仕事をください。
これは「何も考えない弱者の戦略」です。
もしあなたがそんな戦略をしているなら、
“明確な意図をもって、その戦略をとるべき”
です。
本来は”使うべきタイミング”があるんです。
使うべきタイミングで使えてますか?
っていう話ですね。
今回の話は、
「仕事がないけど、仕事があるように振る舞え」
と言う、一見矛盾しているスタイルに
見えるかもしれません。
また、仕事が全く来ない人にとって
目の前の仕事が来るかもしれない人の
仕事を断る、と言うのは
信じられないほどの勇気がいることでしょう。
ですが、
その仕事は本当にあなたがやるべき仕事なのか?
を本来は考える必要があります。
仮にあなたがフリーランスであれば尚更です。
ただ仕事が欲しいだけなら、
会社に勤めれば良いですし、
受け身スタイルでも確実に
収益は安定します。
労働商品にさえなれば、
金額は相手に決められますが、
収益化はできるのです。
フリーランスになると言うことは
やりたいことがあって、
やりたい仕事があるからこそ、
そのフリースタイルを選んだはずなのです。
自分の価値を決めることを選び、
自分でやりたい仕事を選べます。
何でもかんでも受けるのは
本来の姿ではないはずです、
「仕事があれば、宜しくお願いします!」
と言う人を見て、僕はそんなことをよく感じます。
この人は、どこまで戦略的なのだろうか、
と。
はっきりと意図があれば、別に僕は
「仕事があれば、宜しくお願いします!」
も悪い手だとは思いません。
意思表明は重要です。
僕も”使うべきタイミング”では、使いますから。
でも、わかってやるのと
わからずにやるのでは、
違うんじゃないかなぁ。