エキスパンドワークのススメ

ナイトウです。

今日は、エキスパンドワーク、という話です。

エキスパンドワークって知ってますか?

知りませんよね:笑

実はこれ、僕の友人が勝手が作った造語です。

僕は名前こそつけてこなかったんですが、
無意識で職場でやっていたことです。

これができるようになると、
実は仕事がかなりいい感じに回っていきます。

さて、
「エキスパンドワーク」とは
なんなんでしょうか。

エキスパンドワークとは、
自分の仕事の領域よりも
ちょっと範囲を広げて、
他の業務をサポートする、
という仕事です。

例えば、こんな事例を出してみましょう。

花屋さんがあったとします。
そこには毎週水曜日、花を運んでくれる
業者さんがきます。

その花屋さんと花を運んでくれる業者さんは
仲が良く、よく交流をしながら
1週間の短い期間でも、気持ちよく仕事をしています。

花を運ぶ業者さんは、
毎週、花屋によるときに、会社で決められた
道がありました。

しかし、その道を通るとかなりの確率で、
虫がつくことがわかっています。

花に虫がついてしまうと、
商品としては、質が落ちてしまいます。

そこで、その業者は、
会社で定められたルートを通らずに、
少し遠回りをするような道で、虫がつかない道を
通り、花屋さんに向かう、ということをやっています。

このちょっとした業者の好意(であり行為)を
花屋さんは知りません。

あるとき、業者の都合で、
花屋さんに届ける担当者が変わってしまう、
ということが起きました。

業者の担当者は、人は良かったものの、
先輩から教えてもらっていた
「別ルート」について、あまり重要視していませんでした。
「虫がつく」という理由も教えてもらっていましたが、
会社の正規ルートを守るべきだ、という気持ちが先行し
虫がつくルートで花屋に届けていました。

そんなことは知らず、
花屋さんは、担当者が変わって
急に花に虫がつく、ということが増え、
困ってしまいました。

さて、こんな話があったときに、
「エキスパンドワーク」というのは、
正規のルートはでなく、
虫がつかない道を選んでいた、ということです。

仕事として考えたときに、
会社に虫がつかない道について
事前に伝えておくべきだ、と思うことも
あるかもしれませんし
中には、保証するべきだ、と思って
道を変えることを業務内と考える人も
いるかもしれません。

誰からも指示されているわけではないし、
むしろ、指示書を違反している行為ですから、
花屋の仕事だ、と思うかもしれません。

ただ、本来、
「お客さんに綺麗な花を届け満足してもらう」
というプロジェクト全体を考えたときに、

「虫がつかない道で運ぶ」という行為は、
結果、「虫を取らずに済む」ことになりますし、
プロジェクト全体としては、ベストな選択でしょう。

虫がついてしまえば、
「虫を取る」のは必須です。

ちょっとした好意によって
いろんなものが回っていたことが、
急に回らなくなる、なんてことは
こんな些細なことが多かったりします。

これに近い話は、専門家同士の
間の微妙な隙間業務です。

エキスパンドワークとは
つまり、隙間業務です。

俺の仕事はここまでだから、
ここまでしかやらない。

これでは、プロジェクト全体を考えたときに、
抜け漏れが必ず発生します。

そして、最終的にこの身勝手な発想は、
後工程の人間にしわ寄せが行き
最終的には、エンドユーザー
つまり、お客さんに不具合として
問題が勃発します。

今回、お伝えしたいのは、
プロジェクト全体で見たときに、
専門家同士の間の業務を
関わる全員がサポートできないか?
ということです。

これができれば、実は
プロジェクト全体は間違いなく
うまく回りますし、
自分たちがびっくりするほどの
連携プレーをすることが可能です。

僕は以前勤めていたところで、
なんどもこういう場面に
遭遇したことがありますが、
エキスパンドワークほど、
重要な仕事はないのではないか、
と思うのど、チーム戦では重要なタスクです。

ただ、残念なことに、
専門家になればなるほど、
エキスパンドワークを無視する傾向にありますし、
チーム戦をやったことがない人が
多ければ多いほど、この発想ができず、
プロジェクトで不具合がよく発生し、
後工程にびっくりするほどの
しわ寄せが行きます。

またエキスパンドワークを無意識にやっている人が
少数で、やらない人が大多数の場合、
エキスパンドワークをやる人間は
一方的に作業量が増え、どんどんやる気をなくしていきます。

ひどくなると、エキスパンドワークをやる人が
自分の仕事をやってくれると
勘違いして、本来専門家がやるはずだった仕事を
怠け始める、という状況すら出てきます。

しかも、加害者は
自分たちの仕事のことしか考えないので、
全体の納期が遅れたら、

「全て後工程のせいにする」
「後工程は無能」

という発想をしますから、
チーム戦でそうなってしまっているとすれば、
かなり不健全なチームと言えます。

また、そのチームにいる、
思いやりのある人は不幸と言わざる得ません。

この「エキスパンドワーク」

単語そのものをを知らなくても、

自分の仕事の範囲以上に、思いやりを持って、
作業をちょっとでも肩代わりができれば、
それはそれで問題はありません。

しかもエキスパンドワークというのは、
別に特別なことをする、
ということではないのです。

花屋の話の時にあったように
「虫がつかない道を選ぶ」
というくらいの些細なことです。

———————-

忘れているかもしれないので、
声をかける、でも良いでしょうし、

代わりにメール対応をしておく
でも良いでしょう。

時にはただ相談に乗る、
でも良いかもしれませんし、

専門業務の一部を手伝う
ということでも良いでしょう。

打ち合わせを見ていて、
微妙なやり取りをしていたので、
こっそり根回しをしておく
でも良いわけです。

———————-

いずれにせよ、
小規模であれ、大規模であれ、
チーム戦をする上では、
間違いなく必要になるのが
このエキスパンドワークであり、

これができているチームは
間違いなくスピーディーに
物事が進め、結果を出すことができます。

最近は、「個人主義」という意識が
日本でも強くなっているようなので、
エキスパンドワークそのものが
できる人間も少なくなっているような
気もしますが、

やっていることは
ただ相手を思いやり、
ちょっと手を貸す

ということです。

見て見ぬ振りをしない

ということです。

「相手は専門職だから余計なことはしないでおこう」

と思って声をかけない、
というのも僕は違うと思うのです。

むしろ、専門職だからこそ、
それに集中してもらうために、
手が空いたら雑務くらいやるよ

という精神が重要です。

声をかけて断られたなら
それはそれで良いわけです。

多くの場合は、
声をかけられずに、
頑張っている人の方がほとんどです。

エキスパンドワークができるようになると
良いところは、自分の専門外の部分にも
意識を置けるようになることです。

専門家になればなるほど、
専門外について意識が回らなくなります。

でも、仕事において、
それはただの「怠慢」です。

本来、仕事は一人でやるものではありません。
仮にお客さんと自分とのたった二人との
やりとりだったとしても、

お客さんも本来は
プロジェクトメンバーの一人として
考える方が自然です。

クライアントがいる仕事なら、
大なり小なり、ヒアリングという作業は
必ずやっているでしょうし、
一方的に作り上げるクリエイティブは
仕事とは言えません。

最小単位は、
たった一人の個人戦ではなく
お客さんと自分とのチームです。

規模が大きくなれば、
自分以外のスタッフがいるかもしれませんが、
ただ増えただけです。

そう考えれば、
エキスパンドワークの
重要性は伝わるかもしれません。

ちょっとした隙間業務ができる
クリエイターに、フリーランスになりましょう。

なんども書きますが、
特別なことはやらなくて良いんです。

自分がやるべき専門タスクは丁寧にやる。

これは最低限で、プロなら当たり前です。

大事なことは
思いやりを持って、
相手の仕事に興味をもって
手が空いたらサポートに回る

です。

それだけで、プロジェクトがうまく行くなら、
最高じゃないですか。

さて、エキスパンドワーク、できているかを
振り返ってみましょう。

たった一人で仕事をしている、
そんな発想はただの傲慢です。

僕はそう思います。