ナイトウです。
映像を趣味で作っているのであれば、あまり意識しないことですが、仕事で映像製作をしていたり、ビジネスで動画を活用しようと考えていれば、必ず押さえたいことがあります。これらは僕も常に意識していることですし、新しい仕事を始める時に必ず立ち返ることでもあります。
駆け出しの映像クリエイターであれば、今一度、再確認して損はないはずです。
ではまとめてみましたので、読んでみてください。
目次
映像は広告である
「映像」というと、かなり漠然としていて、「どんな映像なのか?」をすぐさまイメージできない言葉です。
ご存知の通り、挙げれば様々なジャンルがあります。たとえば「映画」「アニメ」「ドラマ」「TVCM」「MV(Music Video)」「プロモーション映像」「Youtubeの解説動画」などですね。
きっとあなたが頭の中でイメージしたものも該当するでしょう。
さて、そんな「映像」ですが、仕事として映像を作るのであれば、どこを戦場(どんなジャンルで使うのか?)にしているか?で必要なスキルや知識は変わってきます。しかし、それでも、「映像は広告である」という立場は変わりません。
もちろん、これは「ビジネスにおいて」という前提が入ります。
たとえば「アニメ」でいえば、元々は子供におもちゃやグッズを売るために必要な、キャラクターやストーリーを好きになってもらうための映像ですし、「ドラマ」や「TV番組」は間に挟まれているスポンサーの広告です。「映画」であれば、スポンサー広告であり、また映画館の目の前にあるゲームセンターの景品などを売るためのもの、とも言えます。
ではマニュアルのような「解説動画」はどうなのよ?というと、広告をどう捉えるかにもよりますが、「商品を正しく使ってファンを作るためのもの」と考えれば、ある種、広告みたいなものです。
ここで、一度広告の定義を、インターネットで検索してみます。(検索先:weblio)
「広告とは広く世間に知らせること。特に、商品や興行物などを広く知らせ、人の関心を引きつけること。また、それを記したものやコマーシャル」
「広く世間に知らせること」とありますね。これは直接的にか、間接的にか、でかなり意味合いが変わってきますが、知ってもらうこと、という意味合いでは同じと言えるのではないでしょうか。
少し話が変わりますが、以前、放送業界の先輩に「TVCMの一番の目的は?」と聞かれたことがあります。
そこで教わったことは
「第三者に口コミを起きるようなもの、ないし潜在意識による刷り込み」
でした。
大企業が使う広告の意味合いは多少なりとも違うとはおもいますが、
口コミが起きることが狙いであるTVCMをもとにすれば、口コミやファンができる媒体であれば、それらは「広告」とも言えるのかもしれません。
「iPhoneユーザーがiPhoneをほめればユーザーは興味を引き、使い始める。
ここでいえば、iPhoneも間接的な広告の一種とも言える。
youtubeに上がっている解説動画を見ることによって、その動画がわかりやすければ、自然に広がっていく、と捉えれば広告と同じ」
というように、抽象度をあげれば、どんな映像も「広告」というのが僕の解釈です。
そして、映像が広告であれば、それらを作る際には必ずそこには「目的」が存在しますし、
この広告の目的を映像クリエイターは一番意識しなければいけないことです。
クオリティを「正義」とするのはアマチュア
「映像は広告」と定義した瞬間に、必ずしもクオリティが正義になるとは限りません。
多くの映像クリエイターは(駆け出しや見習いの場合は特に)クオリティについてすごく意識をおきます。
※ここで言う「クオリティ」というのは「映像の見栄え」や「音の綺麗さ」などのことを指します。
もちろん、クオリティが高いことに越したことはないわけですが、それでも予算、規模、期間などで作り出せるクオリティというものにも限界もあります。
そして「映像は広告」であれば、クオリティ自体が第一条件にこないのです。
そのことを僕らは肝に命じなければいけません。
(確かに広告内容によってはクオリティが第一条件に来ることもあります。ですが、そもそもクライアントが何を求めているのか?を考えると、質が第一条件にはなりません。
そこを誤解したままでいると、映像クリエイターとして生計を立てていく時に、
もしくは映像を仕事として納品する時に、大きな間違いになってしまうことがあります。
僕らがまず意識に置くことは
「広告はクライアントが向き合っている問題解決の手段である」
ということです。
では、クライアントが向き合っている問題解決とはなんでしょうか?
たとえば、こんな例が挙げられるでしょう。
- 売上が低い
- 新規顧客がこない
- 顧客リストが少ない
- リピーターが少ない
- お客様の意見が少ない
- 会社のブランドイメージが低い
などなど。。。

こんな風に、様々な問題にぶち当たっていて、
その裏返しに達成したい目的があります。
これはクライアントだけが知っていることで、
これらの問題に直面して、クライアントがその解決策に映像製作を依頼してきます。
要するに、広告とはクライアントの問題を解決するための「手段」で、
何を解決したいのか?を明確にしなければ、映像を作る必要性もないわけです。
だから決して映像製作でやることは高いクオリティの映像を納品することではなく、
クライアントが抱えている問題を解決することです。
そこを映像クリエイターは履き違えてはいけません。
かっこいい映像を作れるクリエイターは多いですし、今の時代、機材ソフトウェアも安く手に入るようになりました。その分、より多くの技術を必要としないでも、クオリティも高いものが作れる時代にもなりました。
それこそニコニコ動画で活躍している映像クリエイターさんの中にもすごい人は多いです。
でも、仕事として映像クリエイターの道を進むなら、
「クオリティではなく、問題をどう解決するか?」を考えることが第一条件です。
実はプロとアマチュアの違いはそこにあるのです。
勘違いして欲しくないのは、
「クオリティが高いものが作れたらプロ」ではありません。
相手が必要としているものをきちんと形にして提示できる者がプロです。
だから、時には映像を依頼をされた人に、問題解決手段として映像が最適ではないと感じたなら、
映像を作ることも断りましょう。
映像は時間も労力も、そしてお金もそれなりにかかりますから。
でも、問題解決に本当に必要だと判断したのであれば、映像クリエイターはクライアントが向き合っている問題を親身になって考え、サポートする必要がありますし、その時に僕らの最終兵器である効果のある映像を作って出してあげる必要があります。
だから決して、クオリティの高さで「映像」を売るのではなく、問題を解決するための「映像」を売るのです。
もちろん、クオリティの高さで問題が解決出来るのであれば、遠慮なく高いクオリティの映像を提示すれば良いでしょう。
広告映像において異なる3大要素
広告にもいろんな種類がありますが、それらは3つの要素で構成されています。
- エンターテイメント要素:ドラマ、アニメ、映画、バラエティ番組
- インフォメーション要素:情報そのものを伝える、価値を伝える
- コンテンツ要素:学習、学びがあるもの
です。
これらの3つの要素で映像は構成されてたりするので、僕らは映像がそもそもどんな分類のものなのか?を理解した上で、クライアントが何を望んでいるのか?をきちんと把握する必要があります。
もちろん、これらが綺麗に3つに分けられるわけではなく、場合によっては混合しているものもあります。
エンターテイメント要素
①エンタメ要素が強いものでいえば、映画、ドラマ、アニメなどの人を楽しませるエンターテイメント系の映像のことを指します。ストーリー性のものだけがエンタメ要素ではありません。バラエティ番組やYoutuberの面白い系動画も一部この要素を含んでいます。
<特徴>
- クオリティの高さが求められる
- 必要なのは「ストーリー」「世界観」「キャラクター」
- これらの要素が成り立っていなければ、人は見てくれないし、興味を持ってくれない
- 制作規模も大きく予算も関わるスタッフも多い
- 打ち上げ花火のようなもので、一度出したら、それで終わり
- だからこそ、最大限の力を発揮して、製作していく必要がある
- ビジネスモデルでは多くの場合、フロントエンド商品になりがち
- その分、一人当たりの利益率は小さい
- ストーリーによる共感や面白さがあれば、拡散しやすい
- 反応を取るのが一番難しい映像
インフォメーション要素
インフォメーション要素が強いものでいえば、TVCMやyoutubeの冒頭のCM、ジャパネットタカタのような一般的な宣伝用の映像広告のことを指します。
<特徴>
- 価値を正しく伝える必要性がある
- 必要な情報をテキストにすることが多い
- ぱっと見で興味を持ってもらう必要がある
- 次の行動につなげる必要がある
- 人を反応させるための広告ノウハウがある
- コピーライティングの要素がかなり大きい
- 誰が見ても「宣伝」だとわかる
コンテンツ要素
コンテンツ要素が強いものでいえば、企業のセミナーや講座の映像、ソフトウェアの操作解説、商品の解説動画などのことを指します。
<特徴>
- 記録としての要素が強くなる
- 講座や操作方法であれば、演出よりもわかりやすく、伝えることに重点が置かれる
- ストーリー、世界観、キャラクターはコンテンツホルダー(講師や出演者等)に大きく依存する
- コンテンツ自体もコンテツホルダー(講師、出演者等)に依存することが多く
クリエイター側がコントロールできるとは限らない - 最低限の映像製作スキルがあれば、映像を作ることができる
ここで紹介したように大きく3つの要素の組み合わせでできています。
そして、これらは必ずしも独立した形で存在しているわけではありません。
たとえば、「映画の予告編」であれば、「エンターテイメント要素×インフォメーション要素」で構成されています。
如何にストーリーを魅力に伝えつつ、俳優や監督、開催日時等の情報を付け加えるか?がポイントになったりします。
このように、自分がどの分野の映像クリエイターで戦っていくのか?を明確に意識した上で、映像を作らなければ、クライアントの目的を達成することができません。
場合によっては、価値の低い映像を作ってしまいます。
大事なのは、クライアントが抱えている問題を如何に解決するか、です。
映像は明確な意図を持って設計しなければならない
問題解決のための設計指針
すでに映像が問題解決のための手段という記載をしましたが、問題をきちんと解決するためには抑えなければならないことがあります。それを少しだけ触れておきます。
僕はTV関係の仕事をしたことはありませんので、TV関係の映像について触れることはできません。
そちらの仕事をしていこうと思うのであれば、そちらの道の方に伺ってください。
ここでは、インターネットで広告映像を作っていく際に抑えておかなければならないポイントに触れておきます。
映像の設計指針は、大きく分けて3つあります。
- 映像の必要性と最適化判断
- 3W(5W1H)
どんな人が映像を見るのか?(who)
何を映像として見せるのか?(what)
どんな媒体で映像が見られるのか?(where)
なぜ映像を作るのか(why)
いつみられるのか?(when)
どんな風に映像が見られるのか?(how) - 3T
ターゲットは誰か?(Target)
映像の最終的な時間は?(Time)
映像のテーマは?(Theme)
この記事内では、詳細までは触れませんが、これらの要素によって、映像の構成も時間尺も変わってくると考えてもらって差し支えありません。すごく一般的なことだと思われるかもしれません。ですが、これらをきちんと抑えることができれば、必然的に問題を解決するための映像を作ることができます。
そして、これらは、ビジネスモデル全体を見ながら設計していく必要が有ります。
少しだけ補足で記載しておきます。
逆宣伝効果をきちんと理解しておく
あなたは「逆宣伝効果」という効果を聞いたことがありますか?
これは、宣伝したときに期待していた効果とは真逆の効果が出てしまった場合のことを「逆宣伝効果」といいます。
具体的な例を出すほうがわかりやすいと思いますので、
ここでは、僕が仕事で実験的にやらせてもらって経験したことがあるので、恥を忍んでそれを今回引き合いに出します(クライアントには了承済み)
インターネットを使った広告映像には、ランディングページと呼ばれるページのトップに載せる映像という仕事もあります。このランディングページにはメールアドレスを登録するというフォームが必ずあり、メールを登録することで次のビジネス展開を担う機能を持っている仕掛けがあります。
ランディングページの性能を計測するには、一般的に計測ツールを利用しアクセスに対してどれくらいの登録率があったか?ということで測ることができます。
実験で作った映像をライディングページのヘッドコピーのすぐ下に入れたものと、入れてないパターンを作り、アクセス計測とメール登録率を計測しました。
その計測結果を1ヶ月間計測したところ、「映像なし」のほうが成果がわずかに上がった結果でした。
そう、「映像なし」のほうです。
つまり、それっぽい映像を作り、掲載したところで映像の効果はなく、
むしろ、メール登録率が下がる方向に働いて、完全に足をひっぱった結果になりました。
これらの原因はわかっていて、今思えば「そりゃそうか」という理由なのですが、
何も考えずに映像を作って設計すると、「足を引っ張ることもある」ということです。
この時、構成をコピーライターに任せ、それを元に撮影した動画を編集した映像でしたが、見た目だけで言えば、クライアントに満足してもらったのですが・・・結果は散々ということですね:苦笑
こーいうものを逆宣伝効果といいます。
これは完全に悪い例ですが、きちんとした映像を作ることができれば、反応率の高い映像になり、効果としてはただのランディングページよりも格段に反応率の高いものが生まれます。
ジャンルにもよりますが、最低でも平均的には成約率が1.5〜2倍くらいまでを引き上げることはできます。
しかし、よくもわからず作って結果足を引っ張った映像ができた日には、大きな問題で、何万、何十万もかけて作ったのに、クライアントとしては酷い話ですよね。
このように、明確な設計指針を持って映像を作らなければ、インターネットで映像を使う場合、すぐに反応として数字に出てしまいます。これは次の世代を担う映像クリエイターからしたら、かなり大きな問題です。
もちろん、クライアントは「反応率がどう」ということすら知らない方も多く
知らないから甘い蜜を吸っていれば良い、というのも、ビジネス的な戦略としてはアリなのかもしれません。
しかし、クライアントと同様にインターネットを使ったときの映像の扱いについて知らない映像クリエイターは多く、
「依頼されたものを綺麗に仕上げれば良い」と思っているのであれば、一度考え直したほうがよいでしょう。
この逆宣伝効果の弊害も含め、まず、
「そもそも映像が必要なのか?」
という部分から立ち返り、そして、必要であれば「どんな映像が最適なのか?」という「映像の必要性と最適化」を設計指針にきちんといれておきましょう。
TVとインターネットは作法が違う
続いて、3Wや3Tに関してですが、映像を作る場合において、当たり前であり、一般的なことです。別の場所で聞くことも多いでしょう。しかし、これをTVとインターネットという配信される環境(ここでいえばWhereの要素も大きく関わる)は明確に違うと意識する必要が有ります。
基本、TVとインターネットでは映像を観る側の人間のスタンスが大きく変わります。
それは「受動的なのか?それとも能動的なのか?」という違いです。
TVの場合は基本的には、「受動」です。
TVという箱があり、その目の前に座り観るという、状態が基本です。
しかし、インターネットの場合、「検索」であれば、「能動」的に探していますし、SNSであれば、「検索」より意識的ではないにしろ、時間つぶしや邪魔されたくないリラックス空間でのスタイルです。
この考え方の違いは、映像を設計する上でかなり大きな違いを生み出します。
そのわかりやすい例で言えば、Whereであり、Timeです。
ここでは、Whereしか触れませんが、Whereであれば、TVCMの場合は、見る媒体が決まっています。TVという箱の前で見るものですから、それを想定します。しかしインターネットの場合、Whereという要素は多種多様です。
ターゲットが立たされている状況もあれば、サイト内のどの位置に動画があるのか?にも影響があるでしょう。
それこそ、動画を配信するプラットフォームもyoutubeなのか、vimeoなのかでも違いますし、ランディングページで載せるならヘッダー画像のすぐ下なのか、中段なのか、最後なのか、でも設計指針は変わります。
SNSで見られるなら、それはそれでまた違うのです。
このように、インターネットを利用する人の傾向やプラットフォームの特徴を僕らはきちんと把握しないといけないですし、その上で、どんな映像を作るか?を映像の構成から明確な意図を持って設計する必要がでてきています。
プロは映像の効果を理解した者
こんなようなことを書くと、「映像クリエイターって結構大変じゃん」と思うかもしれません。
思うかもしれませんが、それはどんな分野でも同じですし、必要なスキルだけをあげれば、そう見えても仕方がないことです。
それに「ありとあらゆるところで映像を作る」、という場合は確かに色んなことを知らなければいけないですし、それに最適化した映像を作れるようになる必要はあるかもしれません。
ですが、多くの場合、映像というジャンルは広いからこそ、何かに特化することが多いのです。
それがエンタメ業界であれば、「モーションデザイナー」かもしれないですし、「CGデザイナー」かもしれません。
これらであれば、マーケティングの知識も不要で、その専門職となりチームとしてやっていくことが前提でしょう。
あるいはドキュメンタリー映像を作ることに特化する人だっていますし、イベントのプロモーション映像に特化する人もいます。ビデオグラファーというジャンルが確立されてきている時代ですから、少人数で映像を作れる時代です。
だから、特化した分野でどういう映像が最適なのか?がわかっていれば、それでよいのです。
ただ、大事なことは、プロは映像の効果を最も理解した者ですし、その効果をどうクライアントの問題解決に貢献するか?を提示するかです。
そして、あくまでクオリティの高さは仕事の幅を広げるもので、クライアントの問題解決に必ずしも貢献するとは限らないということを意識しておけばよいのです。
僕らは決して高いクオリティに逃げてはいけません。
もちろん、クオリティが求められる職種もあるでしょう。
エンタメ業界ではクオリティの高さをある種、武器にして戦っている節もありますし、
おそらくエンタメ業界が一番の最先端技術をいっているのではないかと思うのです。
そして映像が綺麗であることは、一つの魅力につながるし、吸引力にもなるのも事実です。
でも、どんなに綺麗な見た目でも、必要な機能を果たさなければ、それはないのと同じですし、逆宣伝効果を考えたら、足を引っ張る映像になってしまうこともありえます。
だからこそ、仕事で映像クリエイターを名乗るのであれば、映像を使う際の効果を誰よりも理解し、どんなシーンであれば、最大限の効果を発揮できるか?をきちんと把握しておく必要があると思うのです。
最近よく動画マーケティングは重要であるという言葉を耳にします。
また、色んなところで、「動画マーケティングは載せないよりずっと効果が有る!今すぐ始めるべきだ!!」という謳われ方をしています。
これらはある前提では間違いないのでしょう。
どんな計測をしているかはわかりませんが、僕ら個人では測りきれない壮大な計測をして得られた知見だからこそ、クライアントにアピールするための参考資料として差し出すのは効果的です。
しかし、クライアントが実際に映像を依頼するにあたって、それを実現できるかどうか?はまた別問題です。
だからこそ、僕らはどんな風に映像の効果を高めることができるのか?
何をどうすれば逆宣伝効果を防ぐことができるのか?を明確に意識して仕事に取り組んでいく必要があります。
ただ、依頼された映像を作るだけであれば、作業代行者であることをきちんと伝える必要があります。
僕らはあくまでクライアントの問題を映像の力を持って解決するための人間、という意識を持って接しましょう。
映像クリエイターが映像設計するために必要なこと
では、映像制作をする上で、どんな設計指針を持って取り組めば良いのか?どんなスキルが必要なのか?という疑問が湧いてくるでしょう。
それに関しては後日記載する「今後も生き残れる映像製作者に求められるスキル一覧」を参照してください。
取り急ぎ、箇条書きで設計するために必要なことを記載しておきます。
- マーケティングの知識
DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)
コピーライティング
SEO(検索エンジン最適化)の仕組み
インターネット広告運用 - 映像の原則&人間心理
- 映像製作スキル
- デザイン知識・スキル
少なくとも映像製作スキル以外にこれらの知識やスキルがなければ、映像クリエイターは成り立たないと考えたほうが良いでしょう。
もちろん、一人で仕事をする必要もありません。デザイナーやコピーライター、マーケッターと一緒に組んで、仕事をするのもよいです。
インターネットを主戦場とするのであれば、マーケティングの知識を持ち合わせてないとかなり辛いと考えたほうが懸命です。
もし映像制作会社に映像の仕事を依頼するとしても、マーケティングがある程度わかった人間がいないところでは、適切な設計はできないと考えたほうが良いかもしれません。
綺麗な映像を作るディレクターはいると思いますが、それとこれはまた違います。
ぜひ気をつけてください。
全体設計ができない映像クリエイターにならない
ということで、僕の持論が少し入りますが、今後に生き残っていく映像クリエイターは
全体設計ができなければ、どんどん辛くなっていくのではないか、と考えています。
いや、あるいは、ただクライアントのクオリティの高さの満足を隠れ蓑にして、甘い蜜を吸うのであれば、生き残れるのかもしれません。
しかし映像が作れさえすれば良い、という時代はとうの昔に終わっていると思うのです。
それこそニコニコ動画の映像クリエイターはすごい人はごまんといますし、彼らにお願いするほうが結果的に良いのかもしれません。彼らも楽しい案件であれば好きで引き受けてくれるようにも思えます。
本当のプロとして映像クリエイターを目指すのであれば、最低限、全体設計ができるようにインターネットを活用したマーケティングはもちろん、コピーライティングもある程度知りつつも、映像が作れなければ、反応がとれる映像を作ることはできません。
もちろん、「コピーライティング?」「マーケティング?なにそれ」といった具合に単語を知らずとも、それが天然でできてしまう人間もいくらかはいますので、自覚なしに反応率の高い映像を作れる人なら何も問題はないでしょう。
でも、ただクオリティの高い映像を作りクライアントが満足すれば良い、と発想で、仕事を受けるのは少し考えて動いたほうが良いかもしれません。
全体設計をした上で、最適な映像設計できるように心がけましょう。
技術は常に磨くこと
とはいえ、結局僕らは、技術を売っている人間でもあります。
素人からすれば「反応率がどう」とか、正直考えていない場合も多くあるでしょう。
でも、現実問題、実際はそうではないことを僕らはきちんと伝えつつ、技術力の高さで、仕事を取っていくことをしていく必要が有ります。
さきほども伝えたように、「クオリティは正義ではない」ですが、でもクオリティがあることでできる仕事も増えるのも事実です。
クオリティが高いからこそ、依頼したい人がいるのもまた事実です。
だからこそ僕らは、貪欲に技術向上をはかりつつも、クライアントが本当に解決したい問題を映像で解決してこそ、プロの映像クリエイターと言えるのではないでしょうか。
AEやC4Dを触ったりするのは単純に楽しいですしね。
あとがき
映像クリエイターもしくは動画製作を始めた人向けに、一番始めに意識してほしいことをまとめてみました。この文章は、もし仮に映像クリエイターを目指している後輩がいたら、どんなことを一番始めに伝えるだろうか?ということを考えてまとめてみたものです。
僕も映像クリエイターとしてはまだまだ駆け足の人間ですが、インターネットという場ではかなり作法が違う、という認識を持っていますので、ぜひこれからインターネットを主戦場にする映像クリエイターになるのであれば、参考にしていただければ、とおもっています。
最終更新:2017.1.16