アニメ業界について考えてみる:#2単価の問題なのか

twitterで#アニメ単価でみかけたけれど、

単純にアニメーターにとって単価を上げたら解決される、

という話ではないのだろうな、とも思う。

 

どういう形が最適なのか?はわからないけど、

思いつくものとして、歩合制という形を採用するなら、

最低限の保証ありきの、歩合制という形が最適なように思える。

 

たとえば、会社で誰かを雇う時に、完全歩合制というものを取ってしまうと、

タスクをこなした数だけお金が発生する、ということになる。

 

それは会社としては対価の分だけお金を払うのだから、すごく対等なものなのかもしれない。

しかし、仕事を受ける側には負担がかかる。

 

トラックの運んちゃんとか、宅配系はおもに歩合制と聞いたことがある。

友人に教えてもらった範囲での知識だけども、1回に運べる量は基本的には決まっている。

そして、配送場所も決まっていれば、1日の働く量も概ね想定でき、

1箱当たり、1kgあたりいくら、みたいな計算の場合、

1日にいくらの金額を稼ぐことができるのか?というのも明確に見えるそうだ。

それ以上にお金が欲しい場合は、トラックであれば、重量制限を超えて無理やり乗せて運ぶ、

というのが当たり前のようにあったようだ。

 

現在はある程度、厳しくなっていて、

警察もトラックがどこを走るかを理解しているから、減ったのかもしれないけど、

昔はよくあったようだ。

トラックの重要制限の2,3倍の荷物を載せる、なんてことも昔はあったようで、側から見たら

「事故になるからやめてくれ」

と思うのだけれど、当事者からしたら、

起きるかどうかもわからないものより、目先の利益なんだろう。

考え方の問題だ!と切り捨てるのは簡単だ。

でもそれは解決にはならない。

歩合というのは、成果報酬に対する対等そうな対価に見えるけれど、

上記みたいな、無理をして頑張る人のリスクを考えると、どうも対等には思えない。

会社としてもコストを抑えたいのは間違ってはいないけれど、

全体としてみた時に、最適な支払い方法というものが存在するような気もする。

少なくとも最低限の保証をしつつ、あとは歩合制みたいなやり方は一つのアイデアでしかないけど、悪くはない気もする。

でもこれはすべてを解決する案ではなく、

最低限に満足できない人も無理しようと思えば、

無理ができるシステムであることには変わりはない。

システムでカバーできないことは、運用でカバーするしかない。

運用でカバーしようとすると、運用する人の価値観をある程度、方向性を揃えておく必要がある。

 

システムは最低限に仕事を受けてる人が辛くならない、

そして、甘えないラインで構築する必要はある。そしてやる気のある人には、より自由にしていく

そういうシステムを考えることができたら、アニメ業界も少しはまともになるのかもしれない。

現時点では、

アニメーターだけの話をするなら、

きちんと月収支払いをする雇用関係を結ぶことと、

歩合による能力査定が現実的な気もする。

 

でもそれをやろうとすると、

基本、会社のキャッシュフローがきちんと機能し、循環していることが前提になる。

それは、広告として存在していたアニメを

商品として売り出す、という戦いをしてる段階で

きちんとしたキャッシュフローはうみだせないと思う。