アニメ業界について考えてみる:#4 人材が求めているもの?

人材不足である、という話は

アニメ業界ではよく聞く。

 

聞いた話によるとアニメーターを志望して

業界に入ってきた若者は3年以内で80%くらいはやめる、

という話だ。

 

【驚愕】新人アニメーターの平均年収「111万円」、3年以内の離職率「80%」 悲惨な実態が明らかに…
http://jin115.com/archives/52104507.html

これは2015年の記事。

今は2017年で、細かな数字は、ここ数年の傾向で違うのかもしれないけれど、

きっとあまり大きな変化はないのかもしれない。

 

放送枠を落とす、という自体が続いてたし、もっとひどそうである。

 

この数字が実際どれくらい適切なものなのかはわからないし、

他の業界でも似たようなことが起きているのかもしれない。

少し話がずれるけれど、人材不足とアニメ業界

というキーワードで最近、

「自動車整備士も人材不足なんだよ!」

というtweetが流れてきたのを見かけたことはある。

 

たまたま、ねとらぼで取り上げられていたので、転載しておこう。

 

「奴隷のほうがマシな生活」「人材枯渇」 自動車整備業界の危機的状況を現役整備士が告白
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1705/23/news110.html

 

この話を読むと、

自動車整備士もアニメ業界にいるスタッフも

程度の違いはあるにしても、状況は変わらないように思える。

 

ざっくりと特徴を抽出すると
・環境が良くない
・給料が安い

 

という点だろうか。

・明るい未来がない(ように思える)

 

みたいなものも類似点としてあるかもしれない。

あるいは

・技術を要する

というのもあるのかもしれない。

 

こういう記事や巷の情報だけでは、

根本原因はよく分からない。

 

ただ、仕事をする身として、

就職を過去に考えて、活動したことが

ある身として、

まず考えるのは、

・環境が良いか?
・給料が良いか?
・自分自身が楽しめるか?

この3点だ。

これは人によっても異なるだろうし、

もしかして年代によって違うかもしれない。

仮に、環境が良く、給料(お金)がよければ、

人は自分がやりたいとか、楽しめることをやろうとする傾向は強い。

 

これは、フリーランスになって、いろんな人を見てきて、

社長さんとか見てきて、よく思う。

お金や時間があまりまくっている人、

ビジネスが軌道に乗りすぎて、面白みがなくなっている人は、

 

自分の生きがいを探し出す。

自分の存在意義を探し出す。

僕が見てきた範囲でしかないから、

間違っていることもあるだろうけど、

環境が良く、給料がよければ、人は自分が楽しいことをやる。

これは真理のように思える。

 

好きこそ物の上手なれ、と先人は言葉を作った。

 

上達が早いということは、一番効率がよい、

ということだ。能力が発揮出来るということだ。

楽しさに勝る物はないようにおもえる。

 


・環境が悪く
・給料が低い

こういう職場はいろいろと問題が出ているように見える。

これはアニメ業界や自動車整備士以外にも

保育士とか介護関係にも関係しそうだ。

派遣、という場でもあるかもしれない。

 

もしかしたら、農業みたいなところにも影響があるのかもしれない。

いずれも噂や話は聞くけど、経験がないから実感はわかない。

 

環境・給料について少しだけ考えてみよう。

人は、環境によってかなり影響を受ける。

 

綺麗な場所では、きちっとしよう、と思うように、

汚い場所では、気が緩むように、

高級ホテルレストランでの客質がいいように、

コンビニの客層の質が高級ホテルより下がるように

環境で人の心理状態は変わる。

 

脳がいろんな情報を潜在意識で受け取っているからだろうか。

だから環境(人材、設備、予算など)がよければ、

仕事としてはいい感じに回る傾向はあるように思う。

いくら給料が高くたって、

罵倒されて、寝る間も惜しんで仕事するよりは

給料は低くても、笑顔で楽しい仕事の方が

負担は少ない、と僕は思う。

 

この辺りは、人の人生設計によって変わる部分かもしれない。

今、この瞬間を考えるのであれば、

「給料」より「環境」を取る人は多そうだ。

 

ただ、この給料が低くてもよいか?

というとそうではないはずだ。

生活できなければ、本末転倒だからだ。

やりたいことがあっても、生活できなければ、諦めるしかない。

 

だから、給料においては

最低ラインというものは存在するように思える。

 

そう、僕は考えるけど、

給料に関して、特にお金に関しては

かなり人によって考え方、価値観が変わってくるように思う。

環境もそうかもしれないけど、

お金の方がもっと厄介なイメージがある。

 

 

フラットに考えている人と偏りを持って考えている人がいる。

だからこそ、

価値観がある程度、揃っていないと、

お金に関して言えば、問題にもなりそうな印象もある。

 

 

たとえば、

これだけやったのに、これだけしかもらえなかった。

なのか

 

 

これだけしかやってないのに、こんなにもらったのか。

この意識の違いはかなり大きい。

 


あくまで一つの切り口だけど、

価値観に関して言えば、面倒だ、と思うくらい

きっとすごく厄介な問題が隠れている。

お金に対してある程度きちんとした

理解と知識や認識の方向性を揃えておかないと

多分、いろいろ問題になるし、

そういう状況も見てきた。

何がきちんとしているのか?

どういう方向性が良いのか?

は、運営する組織の考え方になる。

基本的には個人の判断、価値観で

「1つの事象」は「認識世界」に変わる。

 

誰かが言っていたけど、

結局、現実というのは、人の数だけ存在する。

同じことを体験して、感じることが違うように、

意見が違うように、1つの事象から、認識世界は

人の数だけ存在する。

それを考えると、

何かシステムを運営する場合、組織を作っていく場合は、

1つの事象に対する、認識世界の方向性を

揃えないと、まとまりは生まれない。

それがコンセプトだったり、理念だったりするんだろう。

完璧な一致は不可能。

方向性だけ揃っていれば、多分、物事は進んで行く。

そういうものを共有しようとすると

環境は揃えつつ、コンセプトや理念みたいな物を共有するための教育

というのは必然になりそう。

それをきちんとやっているのが、

大手の会社の企業研修という物なんだろう。

 


人材が求めている物が、

なんなのかは、時代とともに変わるだろうけど

それでも、少なくとも

・環境
・給料(お金)
・楽しめること

は必須要素なんだろう。

楽しめるかどうかは、本人次第のようにも思える。


だったら、組織が行うことは

環境整備と対価を払う状況は最低ラインな気もする。

楽しめるような場にすることも、必要なのかもしれない。